クラウドワークスの発注者は、どこを見て選べばいいのか|737人分を集計した
クラウドソーシングで案件を選ぶとき、発注者のプロフィールを見ます。本人確認は済んでいるか、評価はいくつか、過去に何件発注しているか。ちゃんとした相手を選べば、仕事につながる確率は上がるはずだと思っていました。
自分が応募した案件の発注者737人分のプロフィールを全部取得して、応募の結果と突き合わせました。分かったのは、想像とは少しずれた形でした。
まず、5人に1人はもういない
737人を取得して、プロフィールが消えていた発注者が20人。発注者IDそのものが取れない応募が154件。合わせると、応募のおよそ17%は、相手のアカウントが今はもう存在しません。
数年前の応募まで遡っているので当然ではありますが、クラウドソーシングの発注者がどれくらいの速さで入れ替わるのかを、数字で見たのは初めてでした。
信用シグナルが揃うと、返信率は2.4倍になる
発注者のプロフィールから、信用に関わる項目を4つ取りました。本人確認の完了、発注ルールの確認、企業情報の登録、評価スコアが中央値以上であること。
この4つが全部揃っている発注者への応募は、返信率60.2%。ひとつも無い発注者への応募は25.5%。2.4倍の差です。2019〜2020年と2022年以降の両方で同じ方向が出たので、たまたまではありません。
ここまでは、想像どおりでした。問題はこの先です。
ただし、その返信の76%は辞退
返信の中身を分けると、シグナルが4つ揃った発注者からの返信の76.0%は、辞退の連絡でした。辞退率はシグナル0個の44.4%から、シグナルが増えるほど単調に上がっていきます。しかも返信が来るまでの時間は、中央値34.3時間から52.8時間へと、むしろ遅くなります。
そして肝心の契約率は、シグナルの数では動きませんでした。0個から4個まで順に3.8%、6.0%、1.8%、6.0%、8.4%。期間を割ると符号が変わるので、差があるとは言えません。
つまり私が選んでいたのは、契約してくれる相手ではなく、丁寧に断る運用ができている相手でした。
評価スコアは、そもそも選別に使えない
発注者の評価スコアも見ました。737人の中央値は4.94。ほぼ全員が高得点です。5点満点で4.94が真ん中なら、これを見て相手を選り分けることはできません。
効かなかったものは他にもあります。応募した時刻、曜日、発注者の所在地、発注者のアカウントの古さ。東京の発注者と東京以外の発注者で、返信率も契約率も同じでした。
契約を分けていたのは、相手の返信の速さだった
では何が契約と結びついていたか。相手の最初の返信が、どれくらい速く来たかでした。
初回返信が12.8時間未満だった案件の契約率は23.5%。139時間を超えた案件は3.1%。契約に至った群の中央値は12.5時間、至らなかった群は49.8時間です。これも2つの期間の両方で再現しました。
ただしこれは、応募する前には分からない情報です。予測であって、操作できるものではありません。相手が速く返してきた案件に力を注ぎ、遅い案件は待たずに次へ行く、という使い方になります。
ちなみに、自分の返信の速さは契約率を1ポイントも動かしていませんでした。私の返信の中央値は48分ですが、12分未満で返した群も3時間半以上かかった群も、契約率はほぼ同じでした。
03ちゃんとした発注者ほど、ちゃんと断ってきた|発注者737人の全数集計シグナル別の返信率・辞退率・契約率の全数値、初回返信の速さ別の集計、逆の因果になっている項目の見分け方、集計用シートを収録しています。どの案件に出すかで契約率が3倍変わっていた話はこちらの記事、提示金額と返信率に関係がなかった話はこちらの記事に書きました。