クラウドワークスで安く提案しても、返信率は上がらなかった|提示額666件の実測
クラウドソーシングで提案するとき、いくらで出すかはいつも迷います。募集予算の下限に寄せるか、少し下げて通しやすくするか。安く出せば返事はもらいやすいはずだ、と私は思っていました。
自分の応募ログのうち、募集条件と自分の提示額の両方が残っていた666件を突き合わせて、その前提を確かめました。結果から書きます。値下げは、返信率を1ポイントも動かしていませんでした。
4つに割っても、返信率は横一線
提示額を募集予算の上限で割った値で、666件を4つのグループに分けました。返信率はそれぞれこうなりました。
上限の6割未満で出した群が36.8%、6〜9割が37.6%、9割〜上限ちょうどが37.9%、上限を超えて出した群が37.2%。
まとめると、上限を超えて出した群が37.2%、上限以内に収めた群が37.4%。差は0.2ポイントで、実質ゼロです。2019年だけ、2020年以降だけ、と期間を割っても、金額と返信率のあいだに単調な関係は出ませんでした。
私は88.3%を、募集上限以下で出していた
では自分がどう値付けしていたかというと、提示額を募集上限で割った値の中央値は0.75。下位1割は0.30でした。応募の88.3%を、相手が出した上限より安い金額で出していたことになります。
その結果として実際に成立した契約の金額は、中央値4,000円でした。最小は10円、最大は198,000円です。1,022件出して取れた仕事の、真ん中がこの水準だったということです。
返信が増えないのに安く出し続けていた。数え終わって残ったのは、この一文でした。
では何が効いていたのか
同じログで、提案文1,009本の中身も調べました。長さ、質問の有無、敬称の使い方。
全体で見ると短い提案文のほうが返信率は高く出ます。400字未満で51.0%、1,400〜1,800字で33.8%。ただしこれは年と強く交絡しています。2019年の私は中央値861字で返信率42.2%、2020年以降は約1,500字で35%前後。書き方が変わった年と、返信率が下がった年が重なっているので、長さそのものの効果とは言い切れません。
正直に書くと、提案文の特徴で「これが効いた」と言い切れるものは、666件では見つかりませんでした。分かったのは、金額は動かしても意味がなかったという否定形のほうです。
値下げをやめると、何を決めることになるか
金額が返信率を動かさないなら、値付けは「通すための道具」ではなくなります。残るのは、その金額で自分が受けられるかどうかだけです。
私はこの集計のあと、募集上限に対して何割で出すかを考えるのをやめました。代わりに、その案件にかかる時間を見積もって、割れない下限を先に決めるようにしています。通るかどうかは、そこでは決まっていなかったからです。
02値下げは、返信率を1ポイントも動かさなかった|提示額666件の全数集計666件の分布、契約金額の全開示、提案文1,009本の特徴量、自分のログで同じ集計をするためのシートを収録しています。どの案件に出すかで契約率が3倍変わっていた話はこちらの記事に書きました。